さざなみはいつも凡庸な音がする 各論
各論、とか言ってますけどこの記事は好きだったシーンやら気になったアイテムやらをぐちゃぐちゃ書いてるだけです。
無駄に章立てで。
1.登場したアイテム
シャニマスは登場させたアイテムと全体の話をリンクさせる天才ですね。こういうのわざとらしくなりがちなんですが、さらっと流れて嫌味がない。
今回は「飲み物」と「ゴミ拾い」について きれいな対応になっているなと思いました。
〇飲み物類
・海辺の掃除のシーン 小糸が円香から受け取る水。
小糸はこの水はすぐに受け取りますが、この後登場するジュースについては何度も受け取れないと返事をしています。
・王冠
小糸がごみ拾いで見つけた飲み物の蓋。
・雑巾がけのレースの勝者(?)ということで小糸が渡されることになるジュース。
三人から小糸へのねぎらいの気持ちですが、小糸は一時これを断ります
・Pが持ってきたジュース
小糸はこれも断り、代わりに次(の仕事)がほしい!と申し出ます
水は必要だから飲むもの、ジュースは自分が好きで飲むもの。
小糸自身がやりたくてアイドルをやるんだ!という確信は、飲まずとも生きていけるジュースの蓋を開け、自ら望んで飲むということに例えられます。
浜辺で飲み物の蓋を見つけ(ジュースの蓋を開けるように)、Pに次の仕事が欲しいと言う(ジュースを飲む)
という対応関係でしょう。
あとこれは関係ないですけど、小糸は次の仕事をお願いした後、結局Pが持ってきたジュースは飲んだでしょうね、たぶん。差し入れ飲まなくても余らせるだけだし…w
〇ゴミ拾い
・円香曰く、ゴミはほんとなら見つからない方がいいもの⇔
成長点、改善すべき点
・掃除なんかしなくても、もともと綺麗だった浜辺⇔
もともと普通にいい子達だったノクチル4人
・すぐにごみを見つける円香⇔
ちゃちゃっと上手くいく(いってしまう)円香 自分がどう成長すべきか、何となくわかっている
・探して探して王冠を見つける小糸⇔
今回の気づきを表しているのでしょう。飲み物の蓋、ですから。
〇オレキシンの話
エンディング「凡庸な音たち」で、小糸がPからチェインを受け取っているとき、生物の教師が話している内容です。
光の当たっている側が伸びるように促し、当たっていない側の成長を抑制する…
わざわざこれをセリフにして入れてる意味 こっちが深読みするの、分かってやってるよね?
2.四人それぞれの動き ここ好きシーン
〇小糸
今回の中心人物ですね。番組の企画投票をしている序盤から「ファンにどんな姿が望まれているのか
どんな成長が望まれているのか」と悩んでいました。
真夜中に透と、海の掃除で円香と、イラスト挿入シーンでは雛菜と、この悩みについて話します。
ほんとに何でも真正面から物事に取り組むいい子ですね。この行き過ぎなほどの真面目さに、3人は無理に合わせるでもなく、否定するでもなく、優しく見守りつつ、実は揺れ動かされているという関係。
ありがとう。
〇雛菜
影のメインキャラでした。
振り返って考えてみると、オープニングでの雛菜の「パティシエ修業したい」は結論の先取りになっていたようにも思います。誰かが望んだからでなく本人がそうしたいから、そうする。
今回の雛菜の場合はパティシエ修業がしてみたかったみたい。可愛いですね。
雛菜はプロローグで投票で皆に協力してもらえず、パティシエ修業もできず、じゃんけんに負けて海辺にも行けず、と今回は外れくじが続きましたが、よく周りを見てるいい子だ…高校生でここまで周りが見えてる子ほんとにいないよ…
真夜中に小糸と透が会話をするシーン、円香は目を覚ましており、雛菜が一人だけ熟睡していたのですが、むにゃむにゃと雛菜の声(かわいい)が入った後、意味深な間がありました。
また、座禅の一幕では寝たふりをして棒で叩かれ撮れ高を作ったのではないかと思わせる会話も。
いつものことですが、雛菜はどこまで考えてやってるのか分からないように書かれていて底が見えない。
〇円香
小糸のことを終始気にかけていました。面倒見が良。いや優。
Pとの会話「画面に映る以上 輝くことは確定事項」のセリフを聞くと、小糸と悩んでいる場所がかなり違いますね。(地味に韻も踏んでるし)
今回の円香に関してはまだまだ考えてみる余地がありそうです。
他三人と見えてるものが全く違いそう。
〇透
「しゃー」がかわいい。どんどん口癖が増えます。かわいい。
シナリオイベント恒例、お姉さん透がいっぱい見られました。
真夜中の小糸に対する「寝ないの?」とか最高… しっとりしてんだよ、声がさぁ…
小糸に
「番組の人がどういうふうにしてほしいのか、とか…面白くって、どうやってやればいいかとか…ファンのひととか視聴者に人がわたしたちにどんなふうになってほしいのか、とか……
透ちゃんは ……わかる?」
と問われた時も、答えは出ませんが「いる?まだ ここ」と…
こういう答えようのない疑問で苦しんでる人に、答えはないけどあなたを思ってますよって伝えるのって、ある意味どんな答えより正解な気がします。
そして寺の掃き掃除のシーンでは雛菜にも気を配っていました。「いいの?海じゃなくて」という質問。掃除場所の話をしているように聞こえますが、後に続く会話を聞くと雛菜が今回の撮影でいろいろ我慢してるんじゃないか、と気をまわしての発言だったご様子。
ボーっとしてるように見えてめちゃくちゃ気遣い人なんすよね。アジェンダの時も思ったけど。
あと配布sSSR、途中から何となく誰が掃除当番なのか予想つきましたが、やっぱ笑っちゃいました。
たぶんディレクターがとりたかったのはこっちのノクチルだったんだろうなぁとか思いながら、
それがアイドルとしてでなく日常として流れていくことになんだかジーンとしました。
おじさんから見れば無限の価値のあるものを垂れ流して生きている…
〇四人の関わり
「どう成長するか」という番組のため用意された建前のテーマに真正面から向き合う小糸。
小糸はあまり気が付いていないようでしたが円香と透はかなり揺れている様子。
先生役のように見えた雛菜も、最後の最後にお互いの在り方を肯定するまで、実は揺れていたのではないかなぁと思ってます(雛菜の腹の底はほんとに想像つかん)
3.「傍白のあいだ」とは何なのか(教えて)
毎度、シナリオイベントではイベント限定sSSRが配布されています。今回は雑巾がけの後の一幕を切り取って、「傍白のあいだ」と名前がついています。
この傍白、演劇用語なんです。
傍白—————傍白(ぼうはく)は、演劇で作中人物が、相手役には聞こえないという約束事の上で、観客だけに知らせるかたちでしゃべる台詞。内心のつぶやきなどを表す。わきぜりふとも。主に、作中人物が眼前にいる相手としゃべっているときに、その人物に関して心の中に抱えている反抗、後悔、憎悪、疑念、遺憾、悲嘆などを表現するときに使う。出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
物語上、相手役には聞こえていない心の声のセリフ ということですね。
会話途中で真っすぐ観客席の側を向いて話したり、会話相手から顔を背けて愚痴こぼしたりするアレ。
めーっちゃ意味深じゃないです?今回のお話でどのシーンが「傍白のあいだ」だったのか。
心のつぶやきゼリフは一度もなかったので、傍白のやり方を演者視点から見て「本当は聞こえてるけど聞こえていないふりをしている言葉」という意味で考えてみました。
まずイラストを見てみると、小糸が舞台での「傍白」をするようにこちらを見ています。
他3人は目をつぶっていたり、そもそも顔が見えなかったり… このシーンのことなのかな…
次に浮かぶのはプロデューサーとディレクターの会話を聞いてしまったシーンですね。
これは聞こえていないと思っていた会話が実は聞こえていた、なので真逆のような気がしますが…
最後に小糸の言葉。
小糸は今回、序盤からかなりSOS信号を出していたように思います。
それに対して3人は、優しく見守っていましたし、ずっと気にかけて小糸をサポートしています。
ですが中心の疑問への回答は、雑巾がけの後、雛菜が答えるまで誰も答えてくれません。
答えてくれない、というよりも答えられなかったのでしょうね。
聞こえないふりをしていた、という取り方はあまりしっくりきません。
「傍白」の意味がしっかりつかめた気がしませんね… これは国語の得意な人にお任せしたいです。
教えてください… コメントお待ちしてます。